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第15回日本薬局学会学術総会へ参加しました。
2021年11月6日 第15回日本薬局学会学術総会へ参加しました。 あおば薬局高崎店 黒澤 美帆
1日目は服用薬剤調剤支援料、フォローアップに関する演題、2日目は在宅医療についての演題を視聴
しました。
シンポジウム1では東大教授の今井博久医師を中心に、先生が指導を行っている薬局薬剤師の情報提供書
を使い、書き方のレクチャーがありました。また、実際指導された方の具体的な話もありました。
ポリファーマシーの場合、多剤併用の指摘(具体的な数字をあげてex.4科 13剤)、重複の事実、患者の
意向、エビデンスを添える。最初に具体的な数字を出すことでインパクトを与え、エビデンス(参考文献)
を添えることで説得力を出す。
やってはいけないこととして、不躾な言い方、失礼な表現、勘違い提案をあげていました。
また、なぜ支援料1、2を算定するのか理解するために、ブロック長、エリアマネージャーなどが計画的な
トレーニングプログラムを行うのが望ましく、背景の理解:理由を理解する。 理念の周知:適切な薬物治療医師とともに進める。
ことが大事だと言っていました。
典型的な重複薬剤:ベーシック症例として
・胃粘膜保護系薬:PPIやH2ブロッカーと胃粘膜保護剤
・疼痛管理系:トラムセット、NSAIDS、カロナール、リリカ(曖昧投与)
・ベンゾジアゼピン系:デパス、マイスリーの併用
・ビタミン系:ユベラ、メチコバール、シナールの漫然投与と併用
・凝固系:バイアスピリンとエフィエントなどの長期投与。DAPT療法。
その他にも去痰系:ビソルボン、ムコソルバン、ムコダインの漫然投与。骨粗鬆系剤:ビスホスホネート系
とRANKL阻害薬(注射剤)。OTCとの併用。
まずはこれをベースにして拾い上げていくことで支援料につなげてほしい、また、してほしいと言っていま
した。
情報提供書の書き方ひとつで、医師からの印象よくなり、信頼が得られるようになれば他職種連携もより
スムーズに行えるようになるとより一層の向上が大切と思いました。
シンポジウム5では歯科医師から、くも膜下出血で摂食嚥下機能が低下し胃瘻になった患者でも、しばらく
すると、機能が改善すること。VF(嚥下造影検査)で簡単に確認でき、胃瘻が解除されることがあると話
がありました。また、他の演者からも脳出血後、発語が出来ず、手の拘縮がある患者でも発症から10年以
上たっていても訓練により書字で、自分の意思が伝えられるようになった事例を数件紹介していました。
これは、本人、家族、関わる医療者にとってとても希望の持てることだと思い、他職種での連携あってこそ
の結果だと思います。
特別講演の厚労省の事務次官の山本史先生の現場からの新型コロナに対しての統計、対策の話はわかり
やすく、外国の統計からも冬場に増える可能性があるので備える必要があるという話は、現在、落ち着いて
きいている状況でだらけることなく、対応をしていくことを改めて実感しました。